水溶性食物繊維のすごい5つの効果と多く含む食べ物とは?
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があって、それぞれはたらきも多く含む食べ物も違います。
食物繊維と言われてイメージするのは、玄米、ごぼう、レンコンなどの「繊維質」ではないでしょうか。でもそれは不溶性食物繊維。
水溶性食物繊維は、ネバネバ系、サラサラ系。昆布やもずくのトロ~ッとした部分であったり、フルーツに含まれるサラサラした部分が水溶性食物繊維です。
では、そもそも食物繊維とは? 水溶性食物繊維の効果は? 水溶性食物繊維を多く含む食べ物は? についてお伝えします。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」、「ストレス」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー「野菜・果物そして◯◯」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
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【目次】
食物繊維とは?
食物繊維は消化も吸収もされることなく便と一緒に排出されていく成分のこと。
体内に吸収されないので「栄養素」とは考えられていなかったのですが、食物繊維の健康効果が次々とわかってきたことで「第6の栄養素」と呼ばれるようになりました。
しかし……
1日あたり6グラムも不足
日本人は食物繊維が不足。1日20g目標のところ14gしか摂れていません。
和食中心から欧米型の食事に変化するなかで、食物繊維を摂る量がぐんぐんと減ってきました。
なかでも足りないのが水溶性食物繊維。
にもかかわらず、中性脂肪、コレステロール、血糖値、高血圧、便秘、腸内環境、ダイエットと、健康面でも美容面でもさまざまな効果を発揮してくれるのも水溶性食物繊維なのです。
では、水溶性食物繊維の5つの効果についてお伝えします。
水溶性食物繊維の5つの効果とは?
水溶性食物繊維のおもな5つの効果についてお伝えしていきます。
効果(1)中性脂肪を減らす
水溶性食物繊維は体内で水に溶けてゼリー状になってゆっくりと進みます。
その時に中性脂肪の元となる脂肪をからめとって便と一緒に排出されることで、中性脂肪がたまらないようにする効果があるのです。
効果(2)コレステロールを減らす
水溶性食物繊維は脂肪だけでなくコレステロールもからめとって一緒に排出してくれます。さらに「胆汁酸」も一緒に排出してくれます。
胆汁酸とコレステロールにどんな関係が?
胆汁酸とは、コレステロールを材料として肝臓で作られるもの。脂質を分解することが役割です。
脂質が体内に入ってきたら分解する。分解作業が終わったら肝臓に戻る。でもそこに水溶性食物繊維が来たら、胆汁酸も一緒にからめとって体から排出される。
すると肝臓は……
「あれ、胆汁酸、帰って来ないじゃん!また作らなきゃ!」
ってことで、コレステロールを使って胆汁酸を作る。こうしてコレステロールが減っていきます。
水溶性食物繊維はコレステロール自体も排出しますが、コレステロールを材料にして作る胆汁酸も排出する効果があるので、ダブルでコレステロールが減っていくのですね。
効果(3)血糖値の上昇をおさえる
水溶性食物繊維は体内で水にとけてゼリー状になって腸のなかをゆっくりと進みます。
このとき他の食べ物もゆっくりと進んで消化もゆっくりになるので、血糖値の上昇をおさえる効果が発揮されるのです。
効果(4)便秘を解消する
水溶性食物繊維には、固くなった便に水分を補給して柔らかくして排便されやすくする効果があります。
便がかたい人。いきまないと出ない人。その理由は、便が腸の中に長く滞在している間にどんどん水分がなくなって便が固くなっていることなのです。
便が長時間滞在するとどんな悪影響が?
便が腸の中に滞在する時間が長ければ長いほど、体への悪影響は大きくなります。
- 発がん性物質が発生する
- 有害物質が発生する
- 有害物質が体内に吸収されてしまう
ほかにも、免疫力の低下、自律神経の乱れ、生活習慣病のリスクが高まる、疲労、肩こり、お腹のハリなど。
便が固い、いきまないと出ない、ストレスが多い、お腹が張る、ゴロゴロ鳴る、という人は水溶性食物繊維をたくさん摂るようにしましょう。
ちなみに、このような人が「不溶性食物繊維」を摂ると逆に便秘がひどくなることもあります。
不溶性食物繊維は水分を吸って便のカサを増やします。固くなった便にフタをされている状態なのに、後ろからカサの増えた大量の便が来たらたいへ~ん!
水溶性食物繊維を摂るようにしましょうね。
効果(5)血圧を下げる
水溶性食物繊維には、高血圧の原因となるナトリウムもからめとって排出する効果があります。
特にその効果が高いのは、海藻のヌメリ成分でもある「アルギン酸カリウム」という水溶性食物繊維。アルギン酸カリウムは胃の中で「アルギン酸」と「カリウム」に分解されます。
- アルギン酸:
腸の中でナトリウムを吸着して体から排出 - カリウム:
ナトリウムを排出するはたらきを発揮
アルギン酸とカリウムがダブルでナトリウムを排出するはたらきを発揮して、血圧を下げる効果が期待できるのです。
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水溶性食物繊維の多い5つの食べ物とは?
水溶性食物繊維の多い食べ物は、海藻、野菜、フルーツ、大豆や大豆製品、ごはんやパンやそばなどの炭水化物。
もうちょっと具体的にご紹介しますね。
(1)海藻類
寒天、ところてん、こんぶ、わかめ、もずく、ひじき、など。
おやつに寒天やところてんというのも、水溶性食物繊維を摂りやすい手軽な方法ですね。
(2)野菜
切り干し大根、ごぼう、オクラ、かぼちゃ、にんじん、さといも、さつまいも、カリフラワー、ブロッコリー、小松菜、ほうれんそう、など。
切り干し大根やごぼうやオクラは、水溶性と不溶性がバランスよく含まれている優れものです。
(3)フルーツ
プルーン、アボカド、干し柿、干しブドウ、いちじく、キウイ、もも、いちご、いよかん、みかん、リンゴ、など。
キウイは年間とおして手に入りやすいですし健康効果もたっぷり。りんごも旬はあるものの手軽なフルーツ。「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」と昔から言われるほど効果効能の高いフルーツです。
キウイは夜寝る1時間前から2時間前に、常温のキウイ1個と常温のコップ1杯の水を飲むのがおすすめ。
ダイエット、腸内環境を整える、むくみ解消、消化を促進、疲労回復、美肌、美白、アンチエイジングなどの効果を発揮します。
(4)大豆や大豆製品
納豆、ひきわり納豆、きなこ、大豆、インゲン豆、高野豆腐、油揚げ、おから、厚揚げ、豆乳、など。
デザイナーフーズ・ピラミッドでもトップランクの大豆。毎日の食生活に摂り入れたいですね。
ただ、ひじきと大豆の組み合わせはNG、という考えも。
大豆の効果はジャマしませんが、大豆のフィチン酸がひじきに豊富なカルシウムの吸収をジャマする、という考えです。
とはいえ、個人的にはカルシウムの吸収をジャマすることはないのでは?と考えています。
(5)炭水化物類
大麦(押麦)、オートミール(オーツ麦)、ライ麦パン、フランスパン、小麦粉、ロールパン、そば、など。
食物繊維はそもそも炭水化物に含まれる成分。押し麦をお米に混ぜて一緒に炊くというのも手軽な方法ですね。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
食物繊維って何? 水溶性食物繊維の5つの効果とは? 多く含む5つの食べ物とは? についてお伝えしました。
(1)食物繊維とは:消化も吸収もされないが健康効果にあふれている「第6の栄養素」。日本人は目標の70%しか摂れていない。
(2)水溶性食物繊維の5つの効果:中性脂肪を減らす、コレステロールを減らす、血糖値の上昇をおさえる、便秘を解消する、血圧を下げる。
(3)水溶性食物繊維の多い食べ物:海藻類、野菜、フルーツ、大豆や大豆製品、炭水化物。
「腸から脳が生まれた」と考えれるほど腸内環境は健康面を大きく左右します。
あらゆる健康効果を発揮する水溶性食物繊維。食事に取り入れたり、おやつに寒天を食べたりと、意識して摂ることが大切ですね。
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この記事の執筆者:
株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊
1995年から栄養補助食品の販売業務をきっかけに栄養学を学ぶ。以来、健康食品・健康器具など10年の業務経験とともに自律神経など体のしくみを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
リラックスジェル「プアーナ」、内科医・医学博士の堀田忠弘先生考案・監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」など天然由来成分100%の健康商品を販売して今年で18年目を迎える。※執筆者プロフィールはこちら
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