自律神経とは?そのしくみと体を守るはたらきについて
自律神経という言葉を聞くことが非常に多くなりました。テレビの健康情報番組でも雑誌でも自律神経についてよく取りあげられています。
ストレス社会で生活する私たち。心も体も元気で健康でいるためには「自律神経」というのがもっとも大きなキーワードになっているのではないでしょうか。
そこでこのページでは自律神経についてわかりやすくお伝えします。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「自律神経失調症」、「ストレス」、協会けんぽ「自律神経を整えるおススメ習慣!」、厚生労働省 みんなのメンタルヘルス「ストレスをためない暮らし方」」
スポンサーリンク
【目次】
自律神経とは?
自律神経とは、自分の意思とは関係なく外からの刺激や情報などに反応して、体の機能をコントロールしている神経のこと。
手を動かす、歩く、座る、食べる、飲む、目を閉じる、腰を曲げる……。
このように「自分の意思で動かせるもの」は「体性神経」の仕事。
血管を広げる、食べ物を消化する、老廃物を排泄する、心臓を動かす、寒くなっても暑くなっても体温を保つ、眠っていても呼吸をする……。
このように「自分の意思では動かせないもの」が「自律神経」の仕事です。
正反対のはたらきをする2つの神経
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」という正反対のはたらきをする2つの神経から成り立っています。
交感神経はおもに日中にはたらいて活動を支えている神経です。活動している時、緊張している時、ストレスを感じている時にはたらきます。
副交感神経はおもに睡眠中にはたらいて体の回復・修復を支えている神経です。睡眠中、食事中、入浴中、リラックスしている時にはたらきます。
この2つはシーソーのような関係。「両方が同時に100%はたらく」ということはできません。
交感神経が50%なら副交感神経も50%、というイメージ。交感神経が90%なら副交感神経は10%、というイメージですね。
交感神経は活動を支える
交感神経がはたらいてくれるおかげで、私たちは昼間の活動をスムーズにおこなうことができます。
- 朝の支度をササッとすませて子供を学校へ送り出す
- テキパキと仕事をこなす
- 車が急に曲がってきてもパッと立ち止まれる
- 仲間からのパスにサッと反応する
すべて交感神経がはたらいているからできること。環境の変化にすばやく反応して行動にうつすことができるのです。
また、緊張しているとき、ストレスを感じているときも、交感神経が優位になります。
イヤな上司や苦手なママ友と2人きりの時間、子供の合格発表の結果を待つ間、大事なプレゼンの前、キライな運動会の練習、といった状況では交感神経がバリバリにはたらいていて、副交感神経はほとんどはたらけない。その時間が終わったころにはぐったり疲れていることでしょう。
副交感神経は心と体を回復する
副交感神経がはたらいてくれるおかげで、私たちは心と体の健康を維持することができます。
- ぐっすり眠ると疲れがとれる
- 風邪をひいてもよく眠れば良くなる
- 緊張の一日でこわばった体もお風呂でほぐれる
- 子供の合格の知らせを聞いてホッと体から力が抜ける
すべて副交感神経がはたらいているからできること。昼間の活動でたまった疲れやダメージも副交感神経のはたらきでしっかり修復して、朝には元気で軽やかな体へと回復していくのです。
ほっと一息お茶を飲んでいる時間やマッサージされている時間は副交感神経がはたらく時間。でもやはりもっともはたらいている時間は睡眠中。次に湯船につかっている時間ではないでしょうか。
夜はゆったりと湯船につかって、お風呂あがりに本や音楽でゆったり過ごし、そして深い眠りにつく。睡眠中に副交感神経がしっかりはたらいて朝には心地よい体で目覚められますね。
逆に、夜もシャワーですませ、寝るまでパソコン・テレビ・スマートフォンという生活では、睡眠中の副交感神経も不十分。朝になっても体が重たい、目覚めが悪い、まだ寝たい、という感じになっていまいます。
2つのバランスが心身の健康を維持する
昼間は交感神経がはたらいて活動をサポートし、夜は副交感神経がはたらいて昼間の疲れを回復する。この2つのバランスが私たちの健康を守っているのです。
このバランスがとれている人はよいのですが……
ストレスの多い毎日が自律神経を乱す
ストレスの多い毎日を過ごしている人は、交感神経ばかりがはたらいて副交感神経が十分にはたらけなくなります。心と体の回復が追いつかない状態ですね。これが不調となってあらわれてくるのです。
交感神経では、筋肉はギューッとかたく収縮(ちぢむ)しています。
血液の流れが悪くなるので、栄養も酸素も体温も十分に行き渡りません。リンパの流れも悪くなるので、老廃物や疲労物質などが体から十分に出ていきません。
必要なものが届かずにいらないものが出ていかない。これでは体の回復は望めません。
筋肉が固い = 重たいものを持っている状態
また、筋肉が固いというのはどんな状態だと思いますか?
重たい荷物を持つ時は筋肉にチカラを入れて「よいしょっ」と持ちますよね。そして荷物をおろせば「ふぅ~っ」とチカラも抜けます。
でもストレスで交感神経になって筋肉がギューッとかたくなっている状態というのは、重たい荷物をずーっと持っているような状態。これで疲れがとれるでしょうか?
逆に、マッサージをしてもらって「あ~、体が軽くなった~」と感じたことがあるでしょう。
これは固くなっていた筋肉がほぐれた証拠。全身に重たいよろいを着ていた状態から重たいよろいを脱いだ状態へと変わったので「軽くなったわ~」と感じたのですね。
あなたは 肩こり、首こり、背中がガチガチ、いつも体が重たい、疲れが取れない、といったことはありませんか?
ストレスの多い毎日では交感神経ばかりはたらくので、慢性的に体が固くなってしまいます。
マッサージで体が軽くなったりつい眠ってしまうように、体をほぐすことはとても効果的。
仕事や家事の合い間に、湯船の中で、お風呂あがりに、夜寝る前に。
気持ちよくストレッチしたり、体をもみほぐしてあげてくださいね。
以上、自律神経のしくみについてお伝えしました。
さて、疲れがとれない、体が重たい、体調がいまひとつ……というあなた、肩こり、背中がカチカチ、体が固くなっていませんか?
マッサージされると体が軽くなるように、体をほぐせばぐんぐん元気に楽になります。
そこで自分で深く体をほぐす方法をご紹介。自宅で簡単、誰でもすぐできる方法ですので、ぜひ試してみてください。
ゆるめて軽い体になる方法とは? >>
*-*-*-*-*
この記事の執筆者:
株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊
1995年から栄養補助食品の販売業務をきっかけに栄養学を学ぶ。以来、健康食品・健康器具など10年の業務経験とともに自律神経など体のしくみを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
リラックスジェル「プアーナ」、内科医・医学博士の堀田忠弘先生考案・監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」など天然由来成分100%の健康商品を販売して今年で18年目を迎える。※執筆者プロフィールはこちら
*-*-*-*-*
スポンサーリンク